シャカリキおでん俱楽部

くだらないヒトがくだらないコトを吐き出す為に設けられたブログです。

名も知らぬ深夜ドラマに対して憤りを感じている

皆さん「ドラマ」というものをご存知だろうか?

そう。たまにキムタクが出てるやつである。

 

 

 

正直な話、私はほとんどドラマを見ない。嫌いと言う訳でなく、ただ単に興味がないのである。なので、テレビでドラマが流れていたとしても、わざわざチャンネルを変えるような無粋な真似はしない。むしろドラマをBGMとしてツムツムに勤しむことであろう。

 

だが、あの日は違った。

 

おもむろにテレビを見やると、そこにはバーカウンターを挟んでバーテンダーと女性二人が和やかに会話を繰り広げているのである。

 

そう、何の変哲もないシーンなのである。私は再び手元のスマートフォンに視線を移し、ツムツムの一時停止を解除しようとしたその時である。

 

 

バーテンダー「このワインに合うチーズ、出したげる」

 

 

バーテンダーがそう言うとシーンが変わり、チーズが運ばれてくる。

すると、チーズを一目見た女の一人が口を開く

 

 

コレって!エダムチーズですか!!!???

 

 

なんだそれは。聞いたことのないチーズだ。チェダーとモッツアレラだけで育った私にはあまりにも次元の違う世界である。

オイそこのバーテンダーよ、それはエダムなのか?どうなんだ。

 

 

 

 

よく知ってるね~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エダムだった

 

 

 

 

 

 

エダムなのか。そうなのか。

それならそれでいい。

この際エダムチーズがどのようなものなのかはどうだっていい。

こうなるとこの女が何故エダムを見破ることができたのかに興味が湧いてきた。

 

思考を巡らす。

ニューロンが発火する。

脳内でアキネイターが音を立てて広がる。

 

Q.その人はイタリア人?

A.わからない

Q.恋人がイタリア人?

A.わからない

Q.実家が酪農業?

A.わからない

 

数多の質問が私の「わからない」によって蹂躙されてゆく。

そりゃそうである。知らないドラマで知らない女優が演じる知らないキャラクターなのだから当然である。

初めは穏やかだったアキネイターだって何を聞いても「わからない」と答える人間を前に普通にキレている。

アラビア語でキレている。

 

 

すると、私の脳みそをオーバーヒートさせた難問に女が答を提示しようとしていた。

 

 

 

わたしぃ......

 

 

 

じつはぁ........

 

 

 

 

女の口から何が発せられるのか。

私はもう大ジョッキがビビる量の固唾をゴクゴク飲んでいる。

さあ、勿体ぶらずに教えておくれ。何もしないから。ね?ね?

 

 

 

 

 

 

パリに短期留学してたんですぅエヘエヘヘww

 

 

 

 

なんだ?

パリだと?

チーズに詳しくなるならイタリアじゃないのか。

私の頭での【チーズ 国】での検索結果はイタリアただ一件である。

 

そうか、これはボケだ。バー特有の薄暗い雰囲気をかき消す関西人マインド丸出しの全力投球なのである。もうすぐ六甲おろしが爆音で流れ、バルーンが飛び交い、「でんがなまんがな」と叫びながら道頓堀に身を投げるはずである。

 

さあ、誰がツッコむ?早くしないとこの女が道頓堀に行ってしまうぞ。

 

 

おい。誰かツッコめ。

なんだっていい。

「なんでやねん」でも「どないやねん」でもなんだっていい。

関西人のボケを宙ぶらりんにするな。関西人を生殺しにするな。

 

 

そうか、誰もツッコまないか。となればこの女が言っていることに噓偽りはない訳だ。

 

ならば、残る可能性はただ一つ。

パリとエダムに深い関係があるはずである。

 

真相を知るために私はエダムチーズのWikipediaへ向かった。

 

 

 

 

 

 

 エダムチーズ(英語: Edam [ˈiːdæm]、オランダ語: Edammer (kaas) [ˈeːdɑmər (kaːs)])は、ゴーダチーズと並ぶオランダの代表的なチーズのひとつ

 

 

 

 

 

 

オランダ...............?

 

オランダ...............そうか.....オランダ....

 

 

 

オランダ!?

 

オランダ。そうそれはあまりにもNetherlandsでチューリップでスナイデルな国。

 

 

 

私は歴史を僅かに学んだが、教員の口から出てきたオランダ'sワードは「オラニエ公ウィレム」と「蘭学」の二種類である。

「エダム」なんて言葉は聞いた事もなければ、当然定期考査にも出てこなかった。

 

 

私の浅すぎる世界史の知識は平成に高等教育にて身についた。

しかし、令和の世。センター試験が消滅した今、入学試験に『エダム』の文字が並ぶ日が近いのかもしれない。

 

 

(大学入学共通テスト2045)

問  オラニエ公ウィレムが食べたチーズを以下から全て選びなさい。

 

1.チェダーチーズ

2.モッツァレラチーズ

3.エダムチーズ

4.ゴーダチーズ

 

答えは至極当然。1~4全てである。

理由はオラニエ公ウィレムは偉いから。

偉い人ならどうせそれくらい全部食べてるだろう。知らないが。

 

 

 

この女は本当にパリでエダムに出会ったのかもしれないし、エダムがオランダと知りながらバーテンダーにブラフをかけたのかもしれない。

はたまた、『パリ⇔チーズ』という常人には思いつく筈のない必要十分条件がこの女には先天的に備わっているのかもしれない

だがもうわからない。

下らないことに腹を立てた私は電源ボタンを押してしまった。

 

 

残されたのはエダムの知識とブチギレのアキネイターだけである。